EMS双眼望遠鏡で太陽を観る

バーダー・アストロ・ソーラー・セーフティ・フィルム(BAADER・Astro・Solar Safety Film)を使ってEMSbino用の太陽フィルタを作ってみました。 このフィルタは2001年の胎内星まつりでデモを見てすっかり気に入り是非これを双眼で・・・ と思っていたのですが、腰の重い私のこと、なかなか実現出来ずにいました。 その後最近になって手持ちの部品を整理していたところ、以前他の部材として製作したもののそのまま忘れ去っていたアルミ製の円形枠がEMSbinoの対物フードにピッタリだということが判り、急遽製作に取り掛かることにしました。

EMSbino+フィルタ ファインダ付近
対物用フィルタ枠。 左右の枠が接する部分は眼幅の支障とならないよう、グラインダーで少し切削してあります
どうせ作るなら美しくがモットーの私←(ウソ^^)  ファインダのフィルタ枠も良い部品が見つかりました

フィルタ 対物用枠
BAADER・Astro・Solar Safety Film 非常に薄いフィルム状フィルタです。国際光器でA4サイズのものが2800円。
強烈な太陽光を1/100,000に減光してくれるそうです
ガラクタから出てきたアルミ枠、フィルタは薄い樹脂性の固定環に接着し、それを枠に装填。 黒いリングはフィルタ押さえ(これもガラクタから出てきた)、対物絞りも兼ねており120φ→70φでF8→F14

製作と言っても、枠さえあれば後はフィルムを鋏で切ってセットするだけのことで至極簡単です。しかし太陽光は非常に強烈で、光線漏れや光の周り込みがあると眼に重大な障害を招く可能性があるため、遮光性が完全かを念入りにチェックしました。
ファインダ枠 ファインダ枠
ファインダにもフィルタは必須です
ファインダ用フィルタ枠の内部、フィルタ固定環(アルミリング)にフィルタを接着し、枠外周の三方からイモネジで固定。フィルタが破損したときのメンテナンス性を一応考慮。 

ファインダ用フィルタ枠は松本龍郎さんにツァイスSW30を切削加工して頂いた時に出た余剰部品(ピントリング)を流用しています。思わぬところで役立ってくれました。

2002年9月21日晴れ、1週間待ったファーストライト、
 最初左側の像のピントが定まらなく、また内部が曇っているのかと思うようなコントラストの悪さ・・
 しかし右は良像、 左右を比べてみると左側のフィルタの弛みが大きいことが判り試しに直して
 みると直ぐに改善。 「フィルタはやや緩んでいるのが良い」と人から聞いていましたが、あまり
 緩んでいるのは像に影響があるようです。この辺はさじ加減。

 その後、30倍と45倍でじっくりと観望してみました。 大小の黒点が数個点在し、中でも一番
 大きな黒点が従えている沢山の極小黒点がとても可愛いです。 太陽をこれほどしっかり観たの
 ははじめてでした。 また太陽面全体を覆っている薄い斑模様や地平線付近の白斑も良く見えま
 した。 一番大きな黒点の内側には複雑な入り江が見えています。双眼ではまるでゆっくり呼吸
 する生き物のように見えます。これほど鮮明に太陽表面が見えるとは・・ 
 いまのところ手元に高倍率の手ごろなアイピースがありませんが、いつか100倍くらいで大きな
 黒点の入り江を散歩してみたいです。 それまでに黒点が無くなってしまうかな・・

 楽しいですよ、太陽、 一度このフィルタお試しあれ

 2002.09