テニアン島の「原爆記念碑」


太平洋上の美しい小島、北マリアナ諸島 テニアン島、ハゴイ空軍基地の隅にある原爆搭載機発進記念碑です。1945年8月、ここで原子爆弾「リトルボーイ」がB-29エノラゲイに搭載され広島に、そして3日後、ここから100mほど離れた別のピットから「ファットマン」が長崎に送りだされました。
上部をガラス屋根で覆われたピット内には、当時この場所で行われていた作業の様子を示す写真がいくつか展示されておりました。驚いたことに、その内の1枚には1人の作業員が上半身裸で放射線を遮蔽するためのものは何も身に付けず、ピット内の原爆の傍で作業をしている姿が写し出されていたのです。リトルボーイが(臨界前の通常時に)人体に対する放射線の影響力を有していたのか否か、そして彼がその後どうしているかは判りませんでした。しかし私たちのツアーガイドは 「当時は(原爆は)最高機密であったために、多くの作業者は危険性(放射線の)を知らされておらず、ここの施設で働いていた大勢の人々が放射線症を患ってしまった」と説明してくれました。もしこの話が本当なら、広島長崎の人々と同様にここで働いていた多くの作業者もまた被害者なのです。
このような美しい島にさえかつてあった戦争による数々の悲しい出来事、戦争を起こしてはならない。



テニアン島の原爆記念碑

2005. 9. 15 /北マリアナ諸島 テニアン島
Canon Power Shot S70 / AF F6.3 1/1000 ISO400