2012年6月6日 金星の太陽面通過  雲間から
長野県信濃町より

6月6日、2時起床、外は天気予報どおり僅かしか星が見えない曇空りでしたが、雨ではないので予定どおり機材を設置。LX200のアライメントセットに必要な1等星は天空にたった一つ見えていたベガで、そしてマークXの極軸合わせに必要な北極星も雲に遮られ、コンパスと併用でなければ見つからないほどの微かな光を頼りにセット、何とか夜明けに間に合いました。
そして日の出、沢山の鳥たちが一斉に鳴き始め、太陽が僅かならが見えていたので機会を逃さず全てのレンズのピントを合わせてロック。 その後は雲で空全体が覆われ太陽は全く見えませんでした。 半ば諦めてかけた10時半ごろ、ところどころ青空が見えるようになり、そこから太陽が顔を出し、なんとか捉えることが出来ました。LX200もマークXも太陽を正確に追尾していてくれ、雲間から現れた太陽とその表面にある黒くくっきりとした金星が方向補正することなくアイピースの視界にスッ、と見えた時は感動でした。  太陽が見えていたのは雲間からの細切れで約30分程度、その後は再び雲に覆われ、第4接触が終わる13時47分以降まで太陽が姿を現すことはありませんでした。途中降りだした雨に機材を叩かれる洗礼も受けましたがそれでもなんとか観望できたことに感謝。 



YouTubeに金星の太陽面通過をUPしました。撮影が可能であった時間帯のみの僅かな映像ですが
宜しければごらんください

雲間からの金星太陽面通過 2012_06_06  transit of Venus


 
 2012.06.06 10h47m Nikon D300  ISO400 1/5sec mirror up WBauto Takahashi FC-76 f600mmF8 Filer ND100000
雲の向こうから見える太陽を減光フィルタ付の望遠鏡で撮影するのは夜、月を撮影するのと似た感覚です
 一面の雲に覆われた空ばかり眺めていても仕方ないので、庭で満開のルピナスを撮影。 このあと10分ほどで部分的に雲が薄くなり、ところどころ青空が。待ちに待った太陽です
10h25m Nikon D50  Nikkor10.5mm F2.8(3.2) 1/1000sec
 
 2012.06.06 10h54m Nikon D300  ISO400 1/2000sec  WBauto Takahashi FC-76 f600mmF8 Filer ND100000
雲があると無しでは、露出時間(シャッタ速度)が数百倍も異なります
 
 撮影機材総出演で太陽に挑む
画面右より松本工房EMS+LX200自動追尾経緯台式双眼望遠鏡(左側NikonD300、右側ミラーシフト機構付眼視、アイピースZEISS30mm) 真ん中、五藤マークX極軸体(ビデオカメラ搭載)、 左側五藤マークX赤道儀 (FS-55S+CanonX4 EMSbinoのバックアップ) EMS+LX200の組み合わせは臨機応変を求められる太陽撮影には最適、 マークX赤道儀はハレー彗星以来使い続けている信頼できる道具の一つ、天文用機材は決して安価ではありませんが、丁寧に造られたよいものは一生使えます。
 
金星と黒点を強調するために反転画像にしてみました。金星と直径が殆ど等しい地球が金星の軌道にあったなら、金星からは地球がこのように見えるのです。 地球も金星も太陽と比べるととても小さな存在です
 
太陽が時々顔をのぞかせてていたときの空の様子、雲の合間を縫っての撮影


 5月21日の金環日食、そして今日の金星太陽面通過、  2035年9月2日、当地は皆既日食帯に入ります。 あと23年


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