ドブソニアン望遠鏡 GOB GOTO10について

 (vol 1 外観)

従来の概念では信じられないほどの低価格、そして価格からは想像できないほどの高い完成度のDOB GOTO望遠鏡、取りあえず外観的な特徴を書いてみました。 使い心地については、いずれまたUPします。 2012年7月1日

     
DOB GOTO10 の外観
口径:254mm 焦点距離:1,200mm F4.7
常用のZEISS Super-Wide30mmアイピースでは、倍率×40、射出光径6.3mm、見掛視界2度 と気軽な観望には最適な条件が得られます。

鏡筒重量:15.0kg 架台重量:19.0kg
組み立てたままでも何とか持ち上げられますが、重さよりも嵩があり、やや持ちずらいので腰を傷めないよう注意が必要。 移動の際には鏡筒部と架台部は簡単に分離出来ます。 

 

 鏡筒前面より。 内部はおおむね丁寧な遮光塗装がなされています。 
斜鏡裏面には特段の処理は施されていないので、ここは自前で手を加えたほうがよいのかもしれませんが、その必要性を感じてからで十分だと思います。
 
   
斜鏡、主鏡
梱包を解き、組み立てた後、レーザコリメータによる簡易の光軸チェックを行いましたが問題ありませんでした。斜鏡も目立つズレはありませんでした
 
   接眼部。 滑らかに動作し、かつストッパの効きもよい、勿論2インチ対応
     

主鏡セル部には約72mmピッチで、4か所 4mmタップが施してあり、物置にあったDC12Vファンを取り付けることができました。 明らかに製造過程でファンの取り付けを意識して加工したようです。
夏場の主鏡冷却に役立ってくれることでしょう


 
   
     
架台部。 メーカ(代理店)からは、大きな梱包2つで配達され、架台については組み立てを自分で行なう必要がありますが、各パーツは丁寧にかつ正確に製作されているため、組み立て後ガタが出るようなことは全くありませんでした。 架台、鏡筒とも堅牢です。 
 
  この望遠鏡の特徴の一つは鏡筒が伸縮できること
またその伸縮は途中でも停止できること (これは隠れた特徴) このことによりバックフォーカスを自由に変更することが出来、とかく反射式で問題となる光路長不足が解消され、EMSも難なく使えました。 ただし当然メーカはこのような使い方を保証はしていないし、中間で停止させることは想定されていないが故、スライダーパイプの補強やその他の措置が必要かもしれないので、あくまで自己責任ですが、自作改造派にとっては見逃せない有意性ではないかと思います。

   
EMSと同じ要領で、双眼装置も取り付け可能です。 もちろん接眼部へのモーメントを出来るだけ減らす工夫は不可欠ですし、場合によってはさらに堅牢な接眼部に交換する必要があるかもしれません。また斜鏡が主鏡に接近するデメリットも検証する必要はありますが、ともかく20年ぶりに双眼装置が日の目を見ました。
   夜間テスト中
鏡筒下部の架台面にはスペースがあるので、ここに12V 7VA程度のシール蓄電池ならば搭載可能です。 そうすることによりDOB GOTO内に独立した電源を持つことになり、電源コードよるつまずきや電源切断事故を完全に防止出来ます

見え味は、ニュートン反射式ですので、周辺部では当然像の流れが発生しますが、それは屈折式に比べればであり、個人的にはそれほど気になりません。中心像は勿論非常にシャープです。外観の出来の良さも驚きですが、見え味はそれ以上でした


単眼(双眼装置を含む)の観望でも良いパフォーマンスを示してくれると思いますが、鏡筒伸縮が容易であること、また架台両耳軸のスパン拡張も比較的簡単に出来ることから、この機種を改造することによる自動導入追尾式双眼鏡望遠鏡の製作も可能ではないかと思います。