東京大学 木曽観測所

2014年2月6日

真冬の木曽観測所を見学させていただきました
 この日の見学者は何と私ただ1人で、研究者の方がつききりで案内をしてくださいました

 

真冬ですがとてもあたたかい雰囲気を醸し出すやさしいつくりの観測所です


 
 
1月22日に放送されたこの観測所が舞台の「木曽オリオン」のポスターが階段下の掲示板にありました


VRパノラマ (休止)

 ドーム内    ドーム東側より
     


     
 
観測所の入り口ゲート付近、ここから数百メートルさらに登ります

   
     
ドームに行く途中にある電波望遠鏡、名古屋大学の太陽風観測施設です。吹く風がアンテナにあたると「ヒュー、ヒュー」と音がしてまるで生き物のようです  
木曽観測所のドーム、ここに105センチシュミット望遠鏡が設置されています。

観測所敷地内の道は暫く前の暖かさで氷が解け、そしてその後の寒さで凍り付いてご覧のとおりのアイスリンク状態となっていました。人も車もまるで抜き足差し足でなければ通行出来ないほどです。 研究者の方が外に出て融雪剤を蒔いておられましたが、 なかなか解けず大変ご苦労されているとのことです。 一面に固まった道路の氷は非常に厄介でです。。

     
 105センチシュミット望遠鏡、105センチは補正板(望遠鏡最前面のレンズ)の直径で、主鏡は150センチ、鏡は10年に一度程度岡山で反射面の再蒸着をするそうです。望遠鏡本体とフォーク式架台を含めた総重量はなんと70トン、しかし非常によくバランスが調整されているため動作は滑らかだそうで、赤経方向の駆動は手で簡単に持てるほどの小さなモータ1つで担っていました。 素晴らしい。  
この日は技術者の方がカメラのメインテナンスをしており、鏡筒が水平に近い状態で停止していたため、先端から内部をのぞかせて頂くことができました。

中央十字型スパイダーの奥にカメラがあります。向かって左側には遠隔でフィルタを選択装填できる装置がついています。 望遠鏡というよりまるで宇宙船のようです。 カメラはマイナス100度まで冷却するそうです。ノイズを極限まで減らす方法はやはり冷却が一番なのはプロもアマチュアも同じですね(温度が数十度違いますが^^)


     

ドーム1階の机の上に並んでいたのは各種フィルタ、プロの世界でもナローバンドフィルタはやはり相当に高価だそうです
 
以前の制御機器、 現在は観測中にドーム内で望遠鏡を操作することは無く、完全に遠隔で制御されています。 左側の台に載っている取っ手の付いた四角の黒い箱状のものは写真感板のフォルダ、15キログラムほどもあり、撮影の都度これを交換していたそうです。 今は銀塩ではなくCCDのためもう使われていません。 右のライトテーブルには1997年のヘールボップ彗星の感板写真が載せてありルーペで拝見しましたが、素晴らしい解像力と迫力です 

     

かつて感板を使って105センチシュミットで撮影された美しい写真の数々、今でこそディジタル技術の恩恵を受けてアマチュアでも同様の写真を撮影することは可能となってきましたが、やはり木曽シュミットの威力はさすがです
 
風雪に耐え重厚な風格をもつ木曽観測所のドーム、厚いステンレスの板を使って建造され、重量は何と100トン。

観測所は広大な林と遠景の山々囲まれています。人工光が非常に少なく天体観測には最適の条件、今回は真冬でしたが、四季折々たいへんに美しい場所であることが容易に想像できる素晴らしいロケーションです 


 ご案内下さった研究者の方、本当にありがとうございました。 多忙な観測や研究の合間を縫って我々一般人の見学や広く天文教育に尽力されている木曽観測所に敬意を表します。

Kiso Supernova Survey(KISS) による超新星爆発の瞬間 「ショックブレイクアウト」 検出の偉業をどうか達成できますように


作成 2014/02/08
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